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少しだけ怖い話(呪い屋と祓い屋)



この話は自分の母親から聞いたものです


親戚の一人にとても体格の良い父方の叔父がいました


特にスポーツをやっていた訳ではなかったのですが、子供の頃から実家の農作業を手伝っていたせいか腕っぷしはかなり強かったようです





その叔父さんが30代前半で結婚したばかりの頃、決まって夜中の2時頃になると、訳の解らない事を口走ったり、自分で自分の首を締めたり、いきなり高い所へ駆け上り飛び降りようとしてみたり、とにかく奇行が目立つようになっていきました


しかも、不思議な事に一時間もすると奇行はピタリと収まり、叔父はその間にやっていた事は全然覚えていなかったようです


そのような事が二週間程続き、周りで取り押さえる奥さんや他の家族は心底疲れ切ってしまいました


また、このまま放って置くと本当に自殺してしまうのではないかと奥さんは心配し、周りの人達に相談してみました





するとある親戚の一人が「良い祓い屋さんがいる」と、20代後半と思えるお姉さんを連れて来ました


お姉さんは、特にこれと言ってそれらしい雰囲気がある女性ではなかったようですが、叔父さんを見るなり、「貴方は呪われています。何か心当たりはないですか?」と聞いた来たそうです


叔父さんには心当たりが一つだけありました


それは、最近結婚した奥さんが以前はチンピラの彼女だったという事


その男は本当のヤクザではないし、奥さんは情婦と言う程の付き合いではなかったようなのですが………





叔父さんは、今の奥さんに頼まれて相手のチンピラと話をし半ば強引に別れさせ、それが縁で恋に堕ち結婚したとの事でした


呪いを掛けられる相手として浮かんだのはそのチンピラ男しかいないと思ったので、叔父さんはそのお姉さんにそれまでの経緯を話しました


するとお姉さんは、「そんなチンピラに大きな力はないと思いますから、きっとお金でプロを雇ったのだと思います。まあ、私なら何とか出来るでしょうからお払いします。一週間程してからまた来ます。本当に祓えていたらその間何も起こらない筈ですから、お祓い料はその時までに準備して置いて下さい」と言ったそうです


お姉さんは、それから約一時間程不思議なお祈りをして帰って行ったという事でした





そして、その夜からピタリと叔父さんの奇行はなくなり、奥さんと家族はグッスリ眠れるようになりました


やがて一週間が経ち、そのお姉さんに料金を支払いお礼をしたそうです


母親の話だと、普通のサラリーマンの月収程度の額だったみたいです


私の母親は好奇心が強いので、そのお姉さんと世間話をしながら色々と聞いてみたようです


そして最後に、一番気になっていた事を母親は聞いたそうです


「プロの呪い屋さんが、また呪いを掛け直すと言う事はないんですか?」と





「えぇ、もう一週間も経っていれば大丈夫ですよ。私がやった事は、呪いを祓ったんじゃなくて返したんですから。相手の呪い屋は、私と同じような商売の人ですから、呪い返しの怖さは充分に知っていると思いますし、多分もうこの世にはいない筈です。まあ、私もこんな商売していれば、結局畳の上では死ねないと思ってますけどね」


そう言ってお姉さんはニッコリと笑ったそうです


母親は「人の笑顔がこんなに怖かったのは初めてだった」と言っていました





呪い屋も祓い屋も実在するみたいだけど、自分の親戚にはいないから詳しくは解らないんだよね


修行して身に付ける能力なのか、それとも持って生まれた力なのか?


でも、そのほとんどはきっと偽物だよね


この記事を読んでくれた人の中に本物の呪い屋か祓い屋の人がいたらコメント下さい


色々と聞いてみたいさ



記事No.1288