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向日葵の咲かない夏(道尾秀介)




向日葵の咲かない夏



一学期の終業式の日、欠席した『S君』にプリントを届ける為に『S君』の家を訪れた『ミチオ』


声を掛けても応答がなく、中に入ってみると「きい、きい」とおかしな音がした


「S君」はいたが自分を見下ろしている


呼んでも返事がなく、よく見ると『S君』の首はロープに繋がっており、足は地に着いていなかった


『S君』は首を吊って死んでいたのだ


急いで学校に戻り、担任の『岩村先生』に伝え、『ミチオ』は一旦家に帰された


その後、『岩村先生』と2人の刑事が家に来るが、『ミチオ』にもたらされたのは、「S君の死体なんてなかった」という知らせだった


「嘘じゃない、確かに『S君』の死体を見た」と懸命に主張し、結局行方不明事件として捜査される事となった


それから1週間後、『ミチオ』の前に『S君』があるものに姿を変えて現れ、「自分は殺されたんだ」と訴える


『ミチオ』は妹の『ミカ』と共に、『S君』を殺した犯人を探す事となる



ミステリー小説衝撃度数

★★★★★★★ 7





天才肌の小説家『道尾秀介』の衝撃の問題作


一言で表現すると「気持ち悪い」小説と言えるが、正体不明の「美しさ」を伴っている不思議な物語


この作品を絶賛するミステリー小説評論家も少なからずいるが、好き嫌いがハッキリ分かれてしまう小説だと思う


これにしてもいつか再読しようと思っているのだが、なかなかその勇気を持てない(笑)


『道尾秀介』は、ヒットさせてやると思って小説を書いてはいないような気がする


書きたい物語を書きたいように書いているだけなのだろう


小説家は誰しも才能の塊だと思うが、もしかしたら、その筆頭に居るのが『道尾秀介』なのかも知れない