悪の教典(貴志祐介)
悪の教典
スクールカースト、不登校、不良生徒、モンスターペアレント、イジメ、学校裏サイト、集団カンニング、淫行教師等数々の問題を抱える「私立晨光学院町田高校」
2年4組の担任を勤める英語教師の『蓮実聖司』は、生徒や保護者に好かれる人気者だが、その正体は他者への共感能力を一切持たない生まれながらのサイコパスだった
自分に疑いの目を向けて来た一部の生徒や教師を始め、邪魔だと感じた者を秘密裏に殺害したり、学校から追放したりして着実に学校全体を支配しつつあった
しかし、2年4組の生徒達が文化祭準備の為に学校に泊り込んだ夜、些細なミスと疑惑が連鎖した結果、『蓮実』の起こした殺人が隠蔽不可能な状況になってしまう
彼の選んだ最後の手段は、校内にいる生徒全員の口を塞ぐ為に、同僚教師の仕業に見せ掛けて散弾銃で皆殺しにする事だった
こうして一夜の血塗れの大惨劇が始まった
ミステリー小説衝撃度数
★★★★★★★★★ 9
ミステリーファンの中でも賛否が分かれる衝撃の問題作
否定派の中には、「ただ作者の頭の中にある妄想を滅茶苦茶に書きなぐっただけじゃないか」といった厳しい意見もあるが、本当ににそうならここまでは売れなかっただろう
サイコパスやサイコキラーを描くのを得意とする小説家は多いが、さすが『貴志祐介』は一味違うというかやはり描き方が巧い
『蓮実聖司=ハスミン』ファンが数多く生まれたのもよく解る
『貴志祐介』は、確かに問題作が多いミステリー作家ではあるが、個人的にはこれからもさらに過激な問題作を発表し続けて欲しいと思っている
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