慟哭(貫井徳郎)
慟哭
連続する幼女誘拐事件の捜査は行き詰まり、『佐伯捜査一課長』は世論と警察内部の批判を受けて懊悩する
異例の昇進をした若手キャリアの課長を巡り、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心を寄せる
こうした緊張下で事態は新しい方向へと向かい始める
そして、誰もが思いもよらぬ結末を迎え、読者の驚愕は最高潮に達し言葉を失う
ミステリー小説衝撃度数
★★★★★★★★★ 9
「宮崎勤事件」をモチーフにした連続幼女誘拐殺人事件を追う捜査一課長の『佐伯』と部下の『丘本』の姿と、娘を亡くして新興宗教にハマり、娘を復活させる黒魔術の依代とする為に幼女を誘拐して次々と殺して行く『男』の姿の、一年間の時間軸のズレがある話を交互に描いている所は読者を欺くには充分な仕掛け
読者を強引にミスリードするミステリー小説ではあるが、著者のデビュー作とは思えないほどの完成度を誇っていると個人的には思う
『貫井徳郎』の最高傑作と呼んでも言い過ぎではないだろう
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