殺人鬼フジコの衝動(真梨幸子)
殺人鬼フジコの衝動
一家惨殺事件の唯一の生き残りとして大きなトラウマを負った11歳の少女『フジコ』
その後、彼女の人生はいつしか狂い始めて行く
「人生は薔薇色のお菓子のよう」
「あたしは人生をリセット出来る女」
そう呟きながら、また一人『フジコ』は殺す
何故彼女は人を殺すのか?
そもそも誰が彼女の家族を殺したのか?
愛への渇望か、あるいは幸せへの執着か、真実が明かされた時、最高の後味の悪さと驚愕のラストが読者を戦慄と慟哭へと突き落とす
ミステリー小説衝撃度数
★★★★★★★★★★ 10
さすがは『真梨幸子』、イヤミスを書かせたら『湊かなえ』と良い勝負だと思う
この小説のラストの衝撃と後読感の悪さは超一流と言っていいだろう
作品には「はしがき」と「あとがき」があるが、そのすべてが本文となっている
物語中15人の人間を殺している『フジコ』だが、彼女に対して感じるのは残虐さや冷徹さではなく圧倒的な不憫
特に子供時代の凄惨なエピソードは目を覆いたくなるレベルだ
決して誰かにおすすめ出来るミステリー小説ではないが、読まずに後悔するよりは読んで後悔して欲しい名作
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