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ルパンの消息(横山秀夫)




ルパンの消息



警視庁に入った一本のタレ込みで事件が再び息を吹き返した


事件当時、期末テスト奪取を計画した高校生三人がたまたま校舎内に忍び込んでいた


捜査陣が二つの事件の結び付きを辿って行くと、なんと戦後最大の謎である「三億円事件」までもが絡んで来るのだった


1990年12月、忘年会に出席していた某警察署の署長『後閑耕造』の元にある知らせが届く


それは15年前に起きた高校女性教師自殺事件について、ある人物からの密告により殺人である可能性が浮上した為、至急署に戻るようにとの事だった


一方、『喜多芳夫』は突然警察官に署に来いと命じられ、反抗するも強制的に連行される


そして、取調室で問われた事は、昔ワル仲間三人で企てた「ルパン作戦」なる期末テストを奪う作戦についてだった



ミステリー小説衝撃度数

★★★★★★★★★ 9





個人的には『横山秀夫』は短編小説の名手だと思っている


警察物、特に刑事物の短編を書かせたら、彼の右に出る小説家はいないとさえ思っている


長編のヒット作である「半落ち」にしても「64」にしても、『横山秀夫』の魅力が充分に発揮されていなかった感は否めない


しかし、彼の処女作であるこの長編小説は文句なしにおもしろい


この作品がきっかけで『横山秀夫』作品を読み漁り、気が付けば全作品を読了していた