暗いところで待ち合わせ(乙一)
暗いところで待ち合わせ
視力を失い盲目となり、一人静かに暮らす『ミチル』
職場の難しい人間関係に思い悩む『アキヒロ』
駅のホームで起きた殺人事件が、そんな寂しい二人を引き合わせた
容疑者として警察に追われる『ヒロアキ』は、『ミチル』の家へ逃げ込み身を潜める
部屋の中で人の気配に怯える『ミチル』は、身を守る為に知らないフリをしようと心に決める
そして、二人の奇妙な同居生活が始まった
ミステリー小説衝撃度数
★★★★★★★★★ 9
殺人事件が発生し、容疑者として追われる男と潜伏先の住人の女性との物語
この二人の間でしか成立しない絶妙な静寂がとても優しくて温かい
前半では『ミチル』と『アキヒロ』の探り合いがあり、後半では少しずつではあるが心と心が接近して行く
そして次第に互いの存在を認め合い、言葉を交わさずとも受け入れ合う描写は、『乙一』流の純愛小説なのかも知れない
この作品は、何処までも美しくて尊い、超一流のミステリーラブロマンスだと言っても過言ではないだろう
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