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嫌われ上手




ある時誰かに嫌われてしまったら、決して嫌われた理由を考えてはいけない



もっと正確に言えば、その理由を考える必要がない



人を好きになるのが理屈ではないのと同様に、人を嫌いになる事も理屈ではないからだ





世の中には、人に好かれよう、もしくは人から嫌われないようにと懸命に努力する人もいる



正直に言ってしまうと、自分には到底理解する事が出来ない



誰かに好かれようと、あるいは嫌われようと、特に生きて行く上でたいして支障はないのだから





「お前は相変わらずニヒルだよなー」、「あなたは本当にシニカルね」、そんな事を何万回も言われて生きて来たが、自分では単に正直なだけだと思っている



敢えて人から嫌われようとは思わないが、人に好かれる必要性をあまり感じない



自分自身を第三者的に見る事さえ出来れば、人からどう思われようと案外ぶれずに生きて行けるものだ





あれはいつの事だったろうか………



当時妻だった女性にこう言われた事がある



「あなたはホント嫌われ上手………」





寂しそうにそう言った妻の横顔が妙に美しく見えたのをさっきふと思い出した



そのかつて妻だった女性は既にこの世にいない



何故急にそんな場面が蘇って来たのか………





「嬉しい時にはワインを開けろ、哀しい時にはウイスキーをやれ」



これは会社勤めをしていた頃の上司の言葉、当時は何言ってんだこいつと思ったものだが、今になってみると何となく言葉の意味が理解出来る



今日は明るい内からウイスキーをロックでやっているが、何故かいつものように酔いが回らない





飲み進める事で、モノトーンだった自分の人生が次第にセピア色に変わって行く………



別に今哀しい訳ではなく、悲しいという感じでもない



ただ、こんな格好つけた文章を綴っている自分自身に少々驚いている





やはりかなり酔っているんだろうな



今読み返したら記事内容の軸がズレてる(笑)



まあいいか、何をやってもやらなくても、どうせ俺は嫌われ上手なのだから