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行ってはいけない場所（花魁淵）




「花魁淵」



住所

山梨県甲州市塩山一ノ瀬高橋





時は戦国時代、「鶏冠山」には「武田信玄」が所有する「黒川金山」が存在しており、一帯には鉱山町が建設され、そこで働く鉱夫達の慰安の為に遊廓もあり、その隆盛ぶりは「黒川千軒」とも称された





しかし、「織田信長」と「徳川家康」の連合軍の甲州征伐によって「武田勝頼」が敗北を喫し、それと同時に「武田家」が滅亡した事により金山は閉鎖に追い込まれた





当時の金山奉行は、金山の秘密が漏れる事を極端に嫌い、遊廓にいた計55人の遊女と、金山の労働に従事した配下の武士達を皆殺しにする計画を立てた





「柳沢川」の上に藤蔓で吊った宴台をわざわざ用意し、その上で酒宴だとして遊女達に踊りを舞わせ、舞っている間に蔓を切って宴台もろとも淵に沈めて殺害し皆殺しを敢行した





遊女達は、深い絶望と激しい憎悪を抱きながら暗く険しい谷底へと落ちて行き、大半の者はその場で息絶えた





幸か不幸か、岩場へ衝突する事なく下流へ流されていった者も数名いたが、既に近隣の村々には、助けた家は刑に処す旨のお触れが回っており、誰にも助けられる事なく、酷く衰弱したまま皆息絶えたと言われている





言わずと知れた山梨県最恐の心霊スポットだが、過去に一晩「花魁淵」から下の谷底を覗き込んだ経験から言わせて貰うと、おそらく「花魁淵」一帯に蠢く遊女達の怨霊は、男性に対しては何も悪さをしないのではないかと思っている





自分が耳にした数多くの心霊体験談も、そのすべてが話してくれたのは女性だった





この場所を訪れた女性達は、一生子供を授かる事が出来ないとも聞く





悪い事は言わない、やはりこの場所にも興味本位の好奇心だけで訪れるのは止めておいた方が無難だろう





特に女性はね





しかし、行ってはいけないと言われると、逆にどうしても行きたくなってしまうのが人間の持つ哀しい性である





記事No.882